第1回「ほんよみのつどい」レジュメ

日時:2020年6月6⽇(土)9:30~11:30
開催場所:オンライン(Zoom)

今回の一冊

82年生まれ、キム・ジヨン

チョ・ナムジュ 筑摩書房

概要

主人公であるキム・ジヨンの半生を振り返りながら、彼女が経験してきたさまざまな理不尽や不平等、女性が抱える困難を描いた韓国の著書。

TALK TOPICS

①「女性にとってよい職場」の定義とは?

「女の職業として、先生ほど良い職場はない」(p.64)
「でもそれって、誰にとってもいい職場ってことでしょ」(p.65)
キム・ジヨンが言うように、子育てしながら働ける職場は、女性にとってのみ良い職場とは言えないはず。
ライフプランや家族計画、ヘルスケアなどのことを考えたとき、「女性にとって(のみ)良い職場」とはどんなものだろうか?

②妊娠・出産で女性は何かを失うの?得られるものは?

「それで、あなたが失うものは何なの?」(p.129)
キム・ジヨンに共感するとともに、妊娠・出産によって男性には大きな変化がない(ように見える)ことに気づかされた一節。
キム・ジヨンが失いたくなかった「若さ」や「健康」、「職場」は本当に手放さなければならなかったのだろうか?失うことだけにフォーカスせず、得られるものは何だろう?
また、男性は本当に何も失わないのだろうか?

③本当に「難しい」のは何なのか?

「いくら良い人でも、育児の問題を抱えた女性スタッフはいろいろと難しい。後任には未婚の人を探さなくては……。」(p.167)
この著書の中で、個人的に最も絶望感を抱くのが161ページ以降の、キム・ジヨンの担当医によって語られる最終章。自身の妻にも実際に起きている問題でさえも、「どう解決するのか?」について何も触れられずに、この小説は終わってしまう。
「難しい」のは「育児の問題を抱えた女性スタッフ」なのだろうか?担当医の視点を変えるにはどうしたらいいだろうか?